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みんかぶプレミアム特集「日経平均5万円の世界」第4回は、テンバガーハンターとして有名な凄腕投資家・愛鷹(あしたか)氏が相場と注目銘柄を語る。「ここから先は日本株投資家にとっては誰も見たことのない景色の拡がるステージに」。不透明な時代に堅実に、そして大きく勝つ方法を探るーー。
今年は2月に夏日を記録するくらいの暖冬で、比較的過ごしやすい冬ですね。昨年は日経平均株価が30%と指数が非常に大きく上げましたので、少しは調整が入るかと思いきや、蓋を開けてみれば日経平均株価はバブル最高値更新!34年ぶりの最高値更新となりました。34年前、1989年の私というと…学校の帰りに駆け回ってザリガニ、バッタ、セミなどを追いかけまわして捕まえては遊んでいた頃でしょうか。ちなみにドル建て日経平均は既に2021年2月に最高値を奪還していましたが、円安が進んだため円建て日経平均は当時お預けとなっており、3年後の2月22日にめでたく史上初の3万9000円台、3万9098.68円で最高値を更新し、と思ったら月が変わって3月4日に大きな節目となる未踏の値、4万円をも超えました。 ここから先は日本株投資家にとっては誰も見たことのない景色の拡がるステージに。ただ、日経平均株価は史上最高値を更新したわけですが、同時に上場来高値更新した個別株が幾つあるのか?みんかぶさん調べでは3月1日大引けの段階で132社(3月2日配信)、でした。3900を超える上場銘柄がある中、IPO間もない銘柄を除いても5%くらいしか上場来高値を更新していません。つまり個別株で見ると温度差が割とあります。
日経平均の構成銘柄を見てみますと、半導体関連銘柄が相場をけん引しており、全ての銘柄が日経平均並みに株価上昇しているわけではありません。それは、東証銘柄全体でも言えることで、一部セクターが盛り上がっているだけで株式市場全般に恩恵がある相場ではありません。ただ、モメンタムの強さに乗っからないと置いてけぼりな展開でもありますので、割高でも強い株を追いかけるか、株価はイマイチでも割安銘柄の奮起や好業績銘柄の反転に託すか、判断が難しいところです。個人的には過熱感も否めないため、後者を探す方に注力したいですかね。 今月3月末は多くの銘柄で配当や株主優待の権利取りがありますが、過熱感もあるため、4万円をはさんで揉み合いになりそうです。しばらくは上げ基調なのかとは思います。株高に冷や水が浴びせられ調整局面になるとすれば、日銀によるマイナス金利の解除など、事実上の金融緩和の出口政策でしょうか。 また、金融庁が損保大手4社に対して政策保有株の売却を要求しました。政策保有株には買収防衛策や株価対策的な意味合いがあり、政策保有の株主は事業・取引関係を優先するため、現経営陣を支持し、議決権を行使しないことが想定されるなど、コーポレートガバナンスの面から適切でないとされています。日経平均が最高値を更新したこともあり、今後は政策保有株の売却対象の銘柄と売却側の銘柄で株価に濃淡が出てきそうです。