知的障害のある人が差別を受けても相談機関につながらないケースがあるとして、東京都は、行政や専門機関の窓口を知的障害者に紹介するチラシの...
知的障害のある人が差別を受けても相談機関につながらないケースがあるとして、東京都は、行政や専門機関の窓口を知的障害者に紹介するチラシの検討を始めた。26日に都庁であった障害者差別解消に関する協議会で報告した。来年度にも区市町村を通じて配る。
東京新聞は8月11日付朝刊で、軽度の知的障害のある男性が、都の結婚支援サイトに掲載された民間事業者の婚活イベントに参加を申し込んだものの断られたケースを報じた。協議会では、この報道も踏まえてチラシの作成を提案。今後、協議会の中に専門部会を設け、短く分かりやすい言葉で相談先の案内を掲載するなど、チラシの内容を検討する。
東京都庁
協議会では報道された男性のケースについて意見もあった。委員の関哉直人弁護士は「参加を断った主催者の判断が適正かどうかが問題。都としても注視すべきではないか」と指摘した。都側は、担当課や職員向けに都障害者差別解消条例の内容の徹底や周知をしていくと答えた。
都は障害者差別解消法に基づき、差別事例の共有や解消への取り組みを協議する「障害者差別解消支援地域協議会」を設置。障害者団体や事業者、医療、行政関係者ら約30人が出席した。(奥野斐)
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