人工知能(AI)に関するニュースが毎日のように世間を賑(にぎ)わせている。AIに対して警戒心を持ち、批判する向きもあるが、すでに私たちがこの奔流に巻き込まれていることは認めざるを得ないだろう。これから進む社会のAI化の先に、どんな未来が待っているのだろうか。その問いを持つ人に、草野絵美の作品は考えるヒントを与えてくれるに違いない。

草野絵美《Uniform Standby》(2026)
草野絵美の作品は、AIを用いて制作されている。モチーフとなっているのは、魔法少女や女性アイドル、看護師、客室乗務員、カラフルなスーツを着たオフィスレディなどだ。共通するのは、かつて少女たちが「こうなりたい」「こんなことをしてみたい」と憧れた姿が、間違って翻訳され、実現してしまったかのような奇妙な世界である。
これらは一見、リアルな写真に見えるが、現実に向けてシャッターを切ったという撮影体験が付随していない。ゆえに写真ではない。AIが学習した膨大な画像プールから、草野によって汲(く)み上げられ、濾過(ろか)されて生まれた「写真風絵画」である。
ただし、一部には現実の写真が...
残り
593/1049 文字
この記事は会員限定です。
無料会員に登録する
有料会員に登録する
ログインして続きを読む
有料会員に登録すると
会員向け記事が読み放題
記事にコメントが書ける
紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
会員登録について詳しく見る
よくある質問はこちら
