〈法廷の雫〉
高齢夫婦と一人娘の中年女性が東京郊外のアパートに身を寄せ合って暮らしていた。昨年、母が亡くなり、数カ月後に父も他界。その父の遺体を自宅に放置したとして、女性が死体遺棄罪に問われた。
今年の春から秋にかけて東京地裁立川支部で公判が開かれた。女性は軽度の知的障害があったが、療育手帳を取得したのは公判が始まってからだった。

東京地裁立川支部(資料写真)
中学卒業以来、社会に出たことは一度もない。ずっと両親と暮らし、年金と生活保護を頼りにしていた。
母が亡くなってから数カ月後のある日、父が布団から動けなくなった。女性が食事を買って渡すようになり、父は横になったまま食べた。トイレにも行けずに「その場でしていた」。
1週間後、父が言葉を発しなくなったため亡くなったと気づく。役所などに連絡する必要があると思ったが、「お金が入らなくなる」とやめてしまう。自分一人で生活費を得て、生きる方法が分からなかった。
自治体職員が何度か訪ねて来たが、居留守でやり過ごしたという。事件が発覚したのは父が亡くなってから3カ月後だった。
被告人質問では、女性の社会復帰を見据えたやりとりが続いた。
弁護人「今後どうしようと考えているか」...
残り
467/983 文字
この記事は会員限定です。
無料会員に登録する
有料会員に登録する
ログインして続きを読む
有料会員に登録すると
会員向け記事が読み放題
記事にコメントが書ける
紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
会員登録について詳しく見る
よくある質問はこちら
