5月3日に東京都内で開かれた憲法集会や最近の国会前デモを巡り「過剰警備」が起きているとして、主催団体と国会議員らが警視庁に抗議する記者会見を開いた。改憲やスパイ防止関連法制など「国論を二分する政策」を進める高市早苗政権への批判から、市民運動が活発化している。警察官が威圧的な対応をとれば「市民が萎縮し、安心して参加できなくなる」と懸念を訴えた。(高山晶一、山田雄之、森本智之)

「2026憲法大集会」で公園の芝生に座ってプラカードを掲げる参加者たち=5月3日、東京都江東区で(池田まみ撮影)
市民運動への警察の不当な介入に抗議します──。市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」のメンバーと国会議員らが8日、国会内で記者会見を開いた。
問題とした一つが有明防災公園で5万人が参加したという5月3日の憲法集会での出来事だ。実行委によると、この日の昼、公園東口から入ろうとした高齢女性が警察官の金属探知機に引っかかった。所持品検査でかばんから果物ナイフが見つかった。一緒に来た夫らと食べようと、フルーツをむくためのものだったという。
銃刀法は「業務その他正当な理由による場合」を除き、刃渡り6センチ超の刃物を携帯してはならないと定める。女性は任意同行を求められ、主催者側の弁護士が同行し、パトカーで湾岸署に移動。身長や体重の記録や、顔写真も撮影され、始末書を書かされたという。

憲法集会や国会前デモで市民運動への警察の不当な介入が起きているとして抗議の記者会見を開く「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」のメンバーや国会議員ら=8日、国会で(川上智世撮影)
藤原朋弘弁護士は会見で、ナイフを購入した後の帰り道やキャンプでの使用などは、同法の「正当な理由」に該当すると説明。実行委は「集会はピクニックのような雰囲気。キャンプとそう変わらない」との見解を示した。
警察による所持品検査は人通りの少ない東口だけで行われ、主催者側に知らされていなかった。女性は聴取後「とても怖かった」と泣き崩れた。その後も監視対象になる恐怖を抱え暮らしているという。実行委は声明で「デモに参加する人々を萎縮させ、場合によっては任意同行・逮捕する不当弾圧だったのではないか」と糾弾した。
会見では、特に3月以降の国会前デモにおける警備体制も問題視した。4月19日の行動で、最寄りの国会議事堂前駅は一つを除いて出口が閉鎖された。救護車両の停車も認められなかったという。
国会議員4氏は6月、警視庁に抗議し、
▽道路をコーンなどでふさがず普通に歩ける態勢
▽警察官の威圧的な対応の改め
▽地下鉄駅構内の歩行規制の緩和
──を求めた。会見に同席した有田芳生衆院議員(中道改革連合)は5月19日、スピーチのため国会正門前に歩いて向かう途中、警察官に制止されたという。法的根拠があるのか聞くと「いや、お願いです」と体を張って止められた。「(警察が)挑発的行為を行う気配を感じる。(挑発に乗ったら)『待ってました』と弾圧をやってくる、危険な局面にある」と憂慮する。

コーンで仕切られたスペースで改憲や戦争に反対の声を上げる人たち=5月19日、東京・永田町で(潟沼義樹撮影)
実行委の菱山南帆子共同代表も「遠回りは前もさせられたが、ここまで地下鉄の出入り口をふさぐことはなかった。参加者の怒りを出させるようにしているんじゃないか」と話した。
警視庁は憲法集会について「こちら特報部」の取材に、個別事案や措置への回答は差し控えるとした。一般論として参加者の安全確保に必要と判断した場合、「主催者側に所持品検査の実施を求め、または参加者の協力をいただきながら警察が実施する」と答えた。銃刀法違反の嫌疑があった場合は「本人の同意を得た後、警察署等の安全な場所に任意同行し、刃物の長さ等を確認する必要がある」とした。
国会周辺のデモについて、警視庁は「今後とも参加者等の安全を確保するため、適切な警備措置に努めます」と答えた。
2015年に安全保障関連法案に反対するデモが起きた際も、横断歩道が鉄柵で閉鎖されるなどし「過剰警備」と批判された。
当時を知る警視庁警備部の元幹部は「人々が密...
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