ペットボトルのふたはどう開けている? 開け方でわかるフレイルのサイン…鹿児島大と「伊藤園」が研究
ペットボトルのふたを、ぞうきんを絞るように開ける高齢者は、筋力が低下しているかもしれない――。こんな研究成果を、鹿児島大医学部と飲料メーカー大手「伊藤園」(東京都)が発表した。心身の働きが弱るフレイルは、早く気づいて対策をすれば、健常に戻りやすい。日常の動作が気づくきっかけになりそうだ。 【図解】フレイルを判定する5項目
ペットボトルの開け方と筋力低下のサイン
従来、ペットボトルのふたを開けにくく感じると、筋力低下のサインだと言われている。ふたを開ける際の握り方は人によってさまざまなため、どのような開け方が筋力低下と関係しているかを調べた。 その結果、五指を筒状にして親指と人さし指側を下にしてふたを握り、ぞうきんを絞るような動作で開ける「逆筒握り」の人は、筋力が低下している可能性があることが分かった。親指と人さし指の側面でふたを挟む一般的な開け方の「側腹つまみ」の人と比べ、筋力低下に該当する可能性は2・7倍だった。 調査は2021年、鹿児島県垂水市に住む65歳以上の336人の男女を対象に行った。座った状態で未開封の約500ミリ・リットル入りのペットボトルのふたを開けてもらい、その様子を観察。ふたを開ける際の握り方によって4種類に分類した。次に、利き手の握力を測定し、筋力が低かった人がどのような開け方だったかを分析した。
鹿児島大の牧迫飛雄馬(まきざこひゅうま)教授(理学療法学)は「普段の生活で、ペットボトルを開けにくく感じたり、つい逆筒握りで開けてしまっていたりしたら、筋力が落ちているかもしれない。フレイルに早めに気づくサインの一つとして知ってほしい」と話している。