市民団体「信じられる未来へ市民連合」は、選挙で有権者が政党や政治家を選ぶだけでなく、政策も市民が自ら立案して政党に実現を求める取り組みを始めた。当面、来春の統一地方選に向けて「私の政策提言」を募集している。27日、応募者らによる政策発表会が、国会正門前で初めて開かれた。
政策はそもそも政党が決めるものではなく、自分たちの生活から出てくるという「原点回帰」(菱山南帆子共同代表)を目指す取り組み。8月からウェブで募集を始めた。政策発表会を重ねながら集約し、統一地方選の前に与野党各党に提言する。この日は男女7人が、生活で直面している問題に基づき「こんな社会に変えたい」という切実な願いを披露した。

国会前で政策提言を発表する参加者=東京・永田町で(市川和宏撮影)
介護福祉士の30代男性は、人手不足で待遇も悪く、事業所の閉鎖が相次ぐ介護現場の実態を語り、「医療・福祉をはじめ、ソーシャルワーカーの待遇や職場環境を改善してほしい」。
看護師の宮子あずささん(63)は「体の状態が悪い患者が入院できず、通院もままならなくなると、とにかく入れる精神科に入らざるをえなくなる」という近年の医療現場の実情を報告。「必要な医療、必要な介護が受けられる世の中になってほしい」と訴えた。
バス会社の労働組合幹部の50代男性は、多くの若者が奨学金の返済に追われて結婚や出産が厳しい現実や、労使交渉を経て会社側が奨学金を肩代わりする制度を整備したことを紹介。「軍拡より少子化対策、大学の無償化と奨学金の免除」を提言した。
東京都の主婦は、女性や障がい者、子ども、高齢者らの人権が守られにくい社会の現状に触れ「国会議員をはじめとした全議員に、日本国憲法を学ぶ研修を義務づける政策を提言したい」。
東京都の介護福祉士の女性は、江東区でのデータセンターやカジノ整備の動きに触れ、「まずきちんと国会で議論し、何らかの規制を設けてほしい」などと訴えた。
市民連合の佐々木寛共同代表は「国民の生活実感と政治がかなり乖離(かいり)している。そろそろ私たちは、国の形や住みたい社会の姿を、自分たちでつくっていかなくてはいけない」。
菱山氏は「この人に任せれば何かが変わるんじゃないかという『お任せ民主主義』ではなく、みんなでちゃんと考えるという民主主義の土台をつくる」と話し、応募を呼びかけた。(高山晶一)
〈外部リンク〉「私の政策提言」を募集します!【市民連合】
