東日本大震災による避難者に東京都目黒区が無償提供した区民住宅を巡り、提供終了後も住み続けたとして区が被災者の女性(72)に未払い家賃など計約820万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は14日、女性側の上告を棄却した。区側の訴えを認め全額支払いを命じた一、二審判決が確定した。(三宅千智)
裁判官4人中3人の多数意見。検察官出身の三浦守裁判長は反対意見を述べ、大災害時の住宅提供の期間を一律に判断することは困難で、「被災者の具体的な事情を適切に考慮して判断しなければならない」と指摘。区の対応を「社会通念上、著しく妥当性を欠く」とした。

最高裁判所(資料写真)
判決などによると、女性は津波で宮城県気仙沼市の自宅が全壊し、友好都市の目黒区に夫と避難した。区民住宅の無償提供は2018年3月末で終了したが、女性は夫の病気の悪化などを理由に退去を拒否。夫は同10月に死去し、女性は2021年に退去した。
女性側は上告審で、退去を求めた区の対応は非人道的で「裁量権の乱用があり違法」などと主張。第2小法廷は、権利乱用の有無にかかわらず「女性が建物を占有することで使用料は発生した」として退けた。
2024年3月の一審東京地裁判決は、気仙沼市の公営住宅に移るなどすることで退去はできたと指摘。2025年2月の二審東京高裁判決も一審判決を支持し、女性側の控訴を棄却した。
被災者の女性は判決後に東京都内で記者会見し...
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