〈本を読もう、街に出よう〉
自他共に認める「面食い」。ほれた男性には小悪魔的な色気を醸しながら近づいた。結婚は4度、離婚も4度。相手を代えては作家として脱皮を繰り返し、恋に、仕事に生きた自叙伝「生きて行く私」はミリオンセラー。最晩年に「私何だか死なないような気がするんですよ」と名言を残した宇野千代だ。(鈴木伸幸)

作家・宇野千代(1996年6月10日死去)
今も続くテレビの長寿番組「徹子の部屋」に84歳で出演した。その対談は語り草になっている。作家の尾﨑士郎や画家の東郷青児と会ってすぐに一夜を共にしたことをあっけらかんと話し、司会の黒柳徹子さんに「あんなに『寝た』『寝た』と、まるで昼寝でもしたようにお話しになる方と、初めてお会いしましたわ」と大笑いされた。

宇野が好んだ着物と、東郷青児が愛用したスーツ=東京都世田谷区の世田谷文学館で(田中健撮影)
尾﨑とは東京の出版社で会って一目ぼれ。当時、千代には札幌に幼なじみで銀行員の夫がいて帰りの切符を持っていたが、作家という同じ夢を持つ尾﨑の投宿先へ。
素朴な尾﨑と違い、女性関係が派手だった東郷との情事には驚かされるばかりだ。東郷は帝国海軍少将の娘と恋仲になるが2人の関係は許されず、心中未遂事件を起こした。尾﨑と別れたばかりの千代は、...
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