低金利時代は口座維持やATMなどコストがかかる「お荷物」とみられていた個人預金だが、「金利のある世界」が本格化し、金融機関による預金獲得競争が熱を帯びている。日銀は今週の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとみられており、金利引き上げのペースは加速しそうだ。金融機関では金利の上乗せにとどまらず、総合的な顧客サービスの拡充にも競争が広がりつつある。(砂本紅年)
「住宅ローンや企業融資など、どのようなビジネスを進めるにしても預金がなければ始まらない。預金獲得は最重要目標の一つだ」。東京きらぼしフィナンシャルグループの担当者は強調する。
同社傘下のネット銀行「UI銀行」は、9月末までの期間限定で1年物円定期預金の金利を年1.5%とするキャンペーンを展開中だ。反響は大きく、7月中旬の開始から約1カ月で残高は1000億円を突破。「高い競争力を持つ金利設定が奏功した」と手応えを示す。

預金獲得に向け、金利キャンペーンに力を入れるきらぼし銀行=東京都港区で(砂本紅年撮影)
日銀が2024年3月にマイナス金利政策の解除を決定して以降、段階的な政策金利の引き上げに伴い、預金金利も徐々に上昇してきた。現在、主要銀行の金利は普通預金で年0.4%、定期預金で年0.5%程度へとシフトしている。
背景にあるのは、企業などの資金需要の強さだ。銀行本来の業務である貸し出しが活発化し、貸出金利の上昇によって収益性も向上。貸し出しを支える資金基盤としての「預金」の価値が一段と高まっている。
金融機関の収益は貸し出しと預金の金利差で...
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