【都電荒川線・王子〜飛鳥山】古社を参り、老舗蕎麦店の海老天に舌鼓。お土産にクロワッサンを|ぐるり東京

チップテック Sep 8, 2026 IDOPRESS

イラスト:杉崎アチャ

JR京浜東北線と南北線が乗り入れる王子駅。都電荒川線の王子駅前駅も隣接しています。新幹線が高架を通過するトレインビューの名所としても有名で、公共文化施設「北とぴあ」の展望ロビーから、多種多様な車両が行き交う様子を眺められます。駅前には石神井川(かつての音無川)沿いに整備された音無親水公園が広がり、水辺の緑道をのんびり歩くのもおすすめです。江戸時代に8代将軍・徳川吉宗が多くの桜を植えたことで花見の名所となった飛鳥山公園にもぜひ立ち寄りたいところ。園内には、近代日本経済の父・渋沢栄一が晩年を過ごした旧邸宅跡も残されています。

古社を参り、老舗蕎麦店の海老天に舌鼓。お土産にクロワッサンを

石神井川の旧河道を整備した音無親水公園。かつてこの川は音無川と呼ばれ、王子神社の参道脇を流れていました。渓流沿いの遊歩道から水車のある景色を眺められます。

今回は、江戸の昔より行楽地として栄えた王子・飛鳥山エリアを散策。王子駅の北口から出て音無親水公園の遊歩道を進み、階段を上がって東京十社のひとつ「王子神社」に到着しました。

境内には、太平洋戦争中の空襲で唯一焼失せずに生き残った大イチョウがあり、東京都の天然記念物(都指定文化財)に指定されています。王子神社の創建当時からあるとされ、樹齢はなんと600年。今も成長し続けていると知って驚きです。青々とした葉が茂る生命力あふれる姿に元気をもらえたような気がします。御祭神にお参りした後は、境内末社の「関神社」にも参拝。百人一首の歌人・蝉丸を祀る、髪の健康や美容のご利益がある神社なのだそう。

王子神社の次に向かったのは、創業70年以上の老舗蕎麦店「喜久家」です。お目当ては、名物の特大海老天が2本もつく「上天もり」。注文からほどなくして目の前に現われた海老天は想像以上の大きさで迫力たっぷりでした。サクッとした衣に包まれた海老のプリプリ食感がたまりません。喉越しの良い二八蕎麦と濃いめのつゆの相性も抜群。あっという間に完食し、最後の目的地に向かいます。

お土産を購入しようと立ち寄ったのは、明治時代から続く老舗ベーカリー「明治堂」。ずらりと並んだ100種類以上のパンから、外はパリっと、中はフワっと食感の「バタール」と、バターの香り豊かな「クロワッサン」をチョイスしました。次の機会には、2階のカフェでパンランチを楽しみたいと思います!

<王子〜飛鳥山のおすすめスポット>

■王子神社

戦後に氏子一同によって再建された社殿。黒塗りと金箔がほどこされた壮大な権現造になっています。

元亨2年(1322年)、紀州熊野三社より若一王子宮を勧請したことに始まる古社。「王子」という地名の由来でもあります。天正19年(1591年)、後に江戸幕府の初代将軍となる徳川家康から社領二百石の寄進を受け、徳川家の祈願所に。寛永11年(1634年)には3代将軍・徳川家光が社殿を造営しますが、この社殿は太平洋戦争中に空襲で焼失してしまいました。8代将軍・徳川吉宗の代には飛鳥山の寄進を受けています。現在は東京十社のひとつに数えられ、境内には、戦災による焼失を唯一免れた樹齢600年の大イチョウが堂々とそびえ立っています。

境内末社の関神社。「髪の祖神」とされる百人一首の歌人・蝉丸を祀り、理美容業界の守り神として親しまれています。


スタッフ

暑い日でも境内が少し涼しく感じられるのは、戦後の再建時にたくさんの木を植えたから。戦火をくぐり抜けた大イチョウですが、実は先端部に欠損や焦げた跡があるんです。それでも調査するとまだまだ元気に成長していて、この地に深く根付いてくれています。秋になって鮮やかな黄金色に色づいた大イチョウも見にいらしてください。令和8年(2026年)9月27日の16時から田楽舞奉納を開催しますので、そちらもぜひ鑑賞いただければと思います。

<データ>


住所北区王子本町1-1-12


電話番号 03-3907-7808


社務所受付時間9:00~17:00

■喜久家

「上天もり」(2100円)。器からはみ出すほどに特大の海老天が2本つく大人気メニューです。

昭和30年(1955年)創業の老舗蕎麦店。現在は2代目が暖簾を守っています。名物の特大海老天は、フラワー海老と呼ばれる大ぶりのエビを一本まるごと使用。風味豊かなごま油をブレンドした油でさくっと軽く揚げているのも、幅広い世代から愛されている理由のひとつです。つゆは大量の鰹節でじっくり出汁をとり、2週間ほど熟成させたかえしと合わせ、さらに3日ほど寝かせてようやく完成。細打ちでつるっとした喉越しの二八蕎麦に、キレのある濃いめのつゆが良く合います。

古き良き昭和の面影が残る落ち着いた空間。「㐂久家(旧字体)」という透かし彫りが入った椅子は、脚を修理しながら40年ほど前から使用しているそう。


スタッフ

通し営業なので、お昼時だけでなく、午後のお散歩の合間などにも立ち寄ってほしいですね。蕎麦は元々ファストフードなので、ひと休みがてら気軽に食べに来てほしいです。女将やスタッフは、いつでも明るく丁寧で親しみやすい接客を心掛けています!蕎麦と一緒に、お客さんとの距離が近いアットホームな雰囲気も楽しんでもらえたらうれしいです。

<データ>


住所北区王子本町1-15-20


電話番号 03-3908-6400


営業時間11:30~17:10(LO)


定休日金曜・土曜

■明治堂

「バタール(左)」(380円)と「クロワッサン(右)」(290円)。バタールは小麦本来の旨味があって食事にも合わせやすく、クロワッサンは豊かなバターの風味とザクザク食感が魅力です。

1889年(明治22年)創業の老舗ベーカリー。常時100種類以上が並び、パンの個性に合わせて20種類以上の小麦粉を使い分けています。あんパンや甘食などの昔ながらのパンから、「哲学サンド」や「ロングバケーション」といったユニークな名前のパンまでラインナップは多彩。パンごとに焼き上がるタイミングが異なり、確実に手に入れたいものがある場合は電話や店頭での取り置きがおすすめです。2階にはカフェがあり、モーニングやランチ、アフタヌーンティーを楽しめます。

魅力的なパンがずらりと並ぶ1階の売り場。すべてのパンのPOPにこだわりポイントが詳しく書かれています。最も多くの種類が揃うのは正午から13時頃だそう。


スタッフ

パンのユニークなネーミングを考えているのは広告代理店で働いた経験がある4代目社長なんです。初めて来店される方には、自慢のクロワッサンをぜひ召し上がっていただきたいです!王子には飛鳥山公園や音無親水公園があるので、たくさんの種類からお気に入りのパンを選んでお散歩のお供にしてほしいですね。

<データ>


住所北区王子1-14-8明治堂ビル1F(ベーカリー)・2F(カフェ)


電話番号03-3919-1917


営業時間ベーカリー7:00~19:00、カフェ9:00~17:00(LO)


定休日ベーカリー日曜、カフェ日曜・月曜・祝日


※掲載したお店や施設の臨時休業および年末年始・ゴールデンウイーク・お盆休みは営業時間などが変更になる場合がございます。事前にご確認ください。


※掲載のイラストマップは縮尺や詳細な位置など、実際と異なる場合がございます。


※2026年9月8日現在の情報です。

▶︎次の記事では、都電荒川線沿線さんぽとして「庚申塚駅」周辺へ。昔ながらの風情が残る街並みを歩きながら、地元で長く愛される老舗の味や、思わず立ち寄りたくなるグルメを巡ります。どこか懐かしく、下町情緒あふれる庚申塚の魅力を楽しむぶらり街歩きをご紹介します。9月22日公開予定です。どうぞお楽しみに!

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