台東区上野公園にある東京都美術館が今年、開館100周年を迎えた。実は、国立の美術館もまだなかった大正時代の終わりに、日本で初めてできた公立美術館でもある。創設の経緯や担ってきた役割を振り返り、1世紀の歩みをたどる。(神谷円香)

開館100周年を迎えた東京都美術館。1975年に今の新館ができた=6月25日、東京都台東区で(五十嵐文人撮影)
1926(大正15)年5月1日、東京府美術館として開館した。きっかけはその5年前、九州の石炭商・佐藤慶太郎(1868~1940年)による府への100万円の寄付。現在の価値で約40億円に上る。
当時、国内に常設の展示施設はなく、博覧会の際は仮設会場を建てた。美術団体は国や東京府に常設の場を求めていたが、予算がなく計画は立っていなかった。佐藤は1921年3月、上京時に手にした新聞「時事新報」で、100万円あれば常設の美術館が建てられるとの社説を目にする。すぐに面識のあった知事に面会し、寄付を申し出た。

美術館生みの親となった佐藤慶太郎の功績を振り返る斉藤泰嘉さん=東京都千代田区の中日新聞東京本社で(内山田正夫撮影)
九州を拠点にした佐藤が、なぜ...
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